カロリーナ・コストナー選手のドゥムキーと黒鳥(猫's報告は下にあります)

今日のフィギュアスケート人物はカロリーナ・コストナーです。
カロリーナ・コストナー選手のドゥムキーと黒鳥(猫\'s報告は下にあります)_f0085390_1410380.jpg ずっと日本人選手だったのだが、ここのところ欧州選手権があり、それを観ていてコストナー選手について書きたくなったので。ヨーロッパの女子は新人で派手に登場してくる人がおらず、従来の名が知れた選手のオンパレード的な感がある。また全体的に技術面が弱い。ジャンプで3-3とんでくる人が少ない。女子で3-3とべるかどうかは結構上位に来るかどうかの鍵となる。最近はDGばかりされて点数的にはひどい有り様だが、やはりとべる人は「おお!」と思う。3-3がきれいに決まるとヨーロッパではやはりコストナー選手の右に出る者はいないだろう。
カロリーナ・コストナー選手のドゥムキーと黒鳥(猫\'s報告は下にあります)_f0085390_14101347.jpg 実は、家長の考えだが、今の女子の中でのジャンプ力、潜在能力的にではあるが、コストナー選手が1番高いと思うのだ。彼女のジャンプはまるで電動ドリルのようである。ゴーっとあがって、ゴーっと降りてくる。まさに電動ドリルのようなスピードとぐりぐり感。彼女はバネがあるという感じではないので、降りたときも固い。それがなおのこと機械感を増すのかなとも思う。彼女のジャンプが決まったときはトルネードのように上がって降りる途中でピタッと止まって降りてくる。しかし、失敗したときは2種類あるように思う。1つは高さが足りず、回転したまま降りてきてしまい、着氷時にもぐるぐる回っているものだから、ドリルよろしく氷に穴あける状態で着氷する。そうすると当然氷の抵抗が生じで転んでしまう。もう1つは斜めに飛び上がってしまい、回転途中空中でバランスを崩した状態で降りてきて転んでしまう。伊藤みどり選手が3A跳ぶときぐらいの高さをコストナー選手が跳べたなら4回転5回転も可能じゃなかろうかと思うのである。筋トレがんばったらどうかなーなどと素人ながらではあるが期待してしまう。
カロリーナ・コストナー選手のドゥムキーと黒鳥(猫\'s報告は下にあります)_f0085390_14102549.jpg しかし、彼女の弱点は柔らかさが足りないこと。バレエの練習もしているようだが、生来身体が固いのかもしれない。それと手足の長さ。解説者たちは手足が長く身長も高いので見栄えがするとよく言うが、家長は逆の考え。コストナー選手は170cm。ちなみに浅田真央選手は164cm。コストナー選手は大きすぎる感を与える。バランスの問題かな。彼女はモデルとして考えるととてもきれいだと思うが、フィギュア選手として考えるとちょっと大きいと思う。スポーツなので身体的特徴はさほどマイナスにはならないというのが家長の考えだが、観た目もあるので、彼女の手足の長さやガタイの大きさを長所としてのプログラムにすれば大丈夫。が、うーん、今のところ成功しているのかな?という気がする。まずは衣装。首にかけた二本のラインが気になる。彼女は肩を強調しないほうがいいと思うので、二本のラインを外した方がすっきり見える。今期の欧州選手権では衣装を変えた(白いの)。襟ぐりもう少し柔らかく深くしたほうがきれいだと思うが、このほうが肩は強調されずすっきりしていてきれいだ。(写真は必死に探したのだが滑っている写真がほとんどなくフィギュア大好きなneverさんのブログから拝借させてもらいました)。彼女の体型はアイスダンス向きだと思うので、少し長めのスカートにするときれいなんじゃないかなー。シングルだとジャンプなど激しいので長めのコスチュームは邪魔かもしれないが、軽い布で試してみたらどうだろうか。カロリーナ・コストナー選手のドゥムキーと黒鳥(猫\'s報告は下にあります)_f0085390_14103688.jpg
 さて、ガタイが大きいで思い出したが、家長がオーストラリアで観た「白鳥の湖」はすごかった。何がすごいかというと、バレリーナ全員ガタイが大きかったのだ。唖然というか…。男性が小さく見えてかわいそうだった。で、白鳥は女性がほとんど(他のバレエ演目もだいたいがそうだが)。コールド(群舞)のときは舞台からはみ出るのではというぐらいの体積のとりよう。4羽の白鳥もビュン、ドン、ドドドドと迫り来る迫力。しかし、考えてみると白鳥って大鳥だよな。水面では首が長くて優雅そうだが、羽ばたくとき、飛んでいるときの胸板の厚さや筋肉のすごさ。足で水蹴るときの迫力はすごいものがある。考えようによってはオーストラリアの白鳥は自然の白鳥に近いものを表現していたとも言える。が、バレエとしてはうーむではある。
カロリーナ・コストナー選手のドゥムキーと黒鳥(猫\'s報告は下にあります)_f0085390_14104637.jpg 話戻して。コストナー選手今期は最初は「白鳥の湖」の黒鳥の曲だったのに、スケートカナダを最後に前年期の「ドゥムキー」に変えた。確かにうまく滑れていなかったが、練習でいいところまで持って行くのかなとも思っていた。なのに…ちょっと残念。ドュムキーはドヴォルザークのピアノ三重奏第4番。ウクライナの民族楽器の伴奏によるバラード風民謡の「ドゥムカ」の複数形。が、ドヴォルザークはそれではなくチェコ語の「回想・瞑想」を意味するdumkaに由来するのではという意見があるらしい。いずれにせよ、ストーリーがあるわけではないので、曲と音、リズム、調べなどをどう表現するかである。結果は、家長としてはうーん、よくわからない。彼女は何を伝えたいのかなぁ。物悲しい調べで、回想的な表現だとしたら、もっと優雅に静かに滑ってほしいとも思う。そして、何か静かに伝えるものを内から出すみたいな感じかな。にしても、2期同じプログラムは観ている側からするといただけない。毎年新しいプロを楽しみにもしているし、技術的にはそんなに大きく変わらないのだから、組み合わせを考え、曲の表現を考えて挑戦してくるからこそたおもしろいのだ。
カロリーナ・コストナー選手のドゥムキーと黒鳥(猫\'s報告は下にあります)_f0085390_14205233.jpgカロリーナ・コストナー選手のドゥムキーと黒鳥(猫\'s報告は下にあります)_f0085390_142141.jpg















 さて、曲に関してだがコストナー選手はもっと軽い速いテンポのもののほうが似合うように思う。ポルカとかマズルカとかワルツとか。あるいはめっちゃ明るい陽気なイタリアン娘!みたいなのも滑ってほしい。
 最後に今期の最初に滑っていた黒鳥のパ・ド・ドゥ。彼女の手足及び首の長さからいうと白鳥はなかなかよい選択。が、黒鳥のこの踊りは王子を誘惑する場面なので妖艶さとパッと見の派手さが要求される。コストナー選手は妖艶というイメージではないので、その辺りが弱い。もう少し大人の色気が出てきたら再度挑戦してもらいたい。
 コストナー選手のファンが作ったらしい動画。黒鳥とドゥムキーの両方が観られるのでどうぞ。




カロリーナ・コストナー選手のドゥムキーと黒鳥(猫\'s報告は下にあります)_f0085390_14112354.jpg コストナー選手の姿態をとてもきれいに見せている写真があったのでご紹介。彼女、こうやって腕をうまく使うとすごく素敵に見えるんだなと感心した。

ここで簡単に「白鳥の湖」の内容を。
 オデットが花を摘んでいると悪魔ロッドバルトが現れ白鳥に変えてしまうところから始まる。
 王子ジークフリート21歳の誕生日パーティー。王妃に明日の舞踏会で花嫁を選べと言われる。王子はまだ結婚したくない。そして、友人と湖へ狩りに出かける。その湖で泳ぐ白鳥たちは夜月光を浴びると人間の姿に戻るのだ。その中にオデットもいた。王子はオデットに一目惚れし、誰も愛したことがない男性の愛を誓ってもらえれば呪いがとけると聞く。王子は明日の舞踏会に来るようにオデットに話す。
 舞踏会に現れたのは悪魔の娘オディール。王子は彼女をオデットと勘違いし、彼女に愛を誓う。だまされたことを知った王子は急いで湖にいるオデットのもとへ。
 嘆き悲しむオデットに許しをこう王子。そこへ悪魔ロッドバルト登場。王子は飛びかかり戦いの末悪魔を倒すのだが、呪いは解けない。絶望した王子とオデットは湖に身を投げる。
 という悲劇なのだが、最近は悪魔を倒して呪いも解けてハッピーエンドもある。
 黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥは舞踏会で王子を魅了するオディールの踊り。「白鳥の湖」最大の見せ場とも言える。グラン・パ・ド・ドゥの構成だが、男女2人が登場するアントレから続く2人で踊るアダージュ。男性1人のヴァリアシオン。女性1人のヴァリアシオン。最後に2人で踊るコーダ。男性のヴァリアシオンは男性的な部分を強調するのでジャンプや速い回転などが多い。女性のヴァリアシオンは優雅で女性らしさを強調。最後のコーダは技術の見せ所的なものが多く、2人のこれでもかという感じのテクニックに大拍手となる。なので、コンクールでよく踊られるのだ。ただ、これはあくまでも原則なので、違う構成の振り付けも多々ある。黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥは多くのダンサーが踊っているので好みもあるのだが、アメリカンバレエシアターは家長は割と好きで、以下のものを見つけた。女性のGillian Murphyはテクニックもすばらしく、ストーリー性もうまく出している。

黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ








Commented by never♪ at 2009-01-29 00:41 x
こんばんは!
ありがとうございます.....
バレエについても詳しく教えて頂けて、勉強になります。
コス嬢の黒鳥、、、、
わたしも昨シーズンのFSに変えた、と聞いた時にはとても残念でした。
来シーズン、とは言わないでの、
是非いつか完成系を見たいです。
コス嬢の新しい一面を見られると思うので...。

コス嬢の、硬質的な所。
実は、neverはそこがコス嬢の好きな部分でもあります。
その硬質的な所がステップのキレや強さにいかさらている気がするのです。
Commented by whofuu at 2009-01-29 22:57
neverさんのとこに載る写真はいつもどこから持ってくるのだろうかと羨ましいです。バレエが好きなのでついバレエ音楽を使っている選手は深く観てしまいます。2月からJSportsPlusが見られるということは、全米男女の再放送が観られるんだとわかりました。きちんと試合の流れのなかでもう一度観てみようと思います。YouTubeだと細切れで、演技だけを観るのでまた違う感想になるのかもしれません。何人もよかったと言っているのに、どうして家長はつまらないと思ったのか、再確認してみます。
 ところで、実は、織田選手の次は小塚選手の予定だったのです。今週末彼について書こうと思うので、また遊びに来てください。
Commented by かき at 2009-01-31 10:39 x
コストナー選手の写真!テレビの映像とは別人のような印象です。繊細で美しく優雅に見えます。テレビ見ていると氷上がミニ「諏訪湖の御神渡り」みたいになってしまうような迫力で気が散ってしまうのです。
次からはコストナー選手の演技を見つめたいと思います。
ふーふーさん、ありがとうです!
Commented by yoji at 2009-02-01 00:50 x
確かに、コストナー選手って美人なんだけど、でかくて固いなあと思ってました。欧米の選手は、手足が長くて派手に見えるところが有利なのかなと思ってたけど、それも「柔らかさ」があってこそ、なんですよね。コストナー選手は、確かにカラダが硬そうな演技です。優雅さを出して戦いたいんだろうけど、どうも大味になっちゃうというか。華やかさはあるんだけど。
なるほど、ふーふーさんがいうようにポップな曲のほうが良さそうだ。
昔は欧米人のほうが色々と有利だと思ってたんですけど、最近みてると
体が軽くて繊細な演技ができるアジア系のテクニックって随分上がったんだなあと思います。と、まあ、素人考えですが。
Commented by whofuu at 2009-02-01 18:30
かきさん、諏訪湖の御御渡りって、氷が盛り上がって山脈のようになることですよね。ということは、コストナー選手は氷を割りそうな勢いってことでしょうか。それはすさまじい。彼女はもう少し自分らしさをうまくダストもってよくなると思うのですが、でも、自分らしさって私たちがテレビで観ているのとは違うのかもしれませんが。大きくて損をするタイプかなという気がしてなりません。
Commented by whofuu at 2009-02-01 18:34
yojiさん、やはりでかいと思いましたか。欧米系は今はアジア系の選手が増えましたね。努力家が多いからという記事を見たことはありますが。アメリカは名前からして中国系、日本人も多いし、ヨーロッパも小柄な東欧的な選手が目立つなという感じです。色白の北欧選手もがんばってますけど。大柄な美人系はアイスダンスにいっちゃうからかもしれません。これから四大陸が始まるし、家長ウキウキワクワクです。
by whofuu | 2009-01-26 14:25 | スポーツ | Comments(6)

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